2013年7月27日土曜日

500年記念企画 いろいろ。


2013/7/27
 今年のドイツの「記念企画」のテーマは「寛容」。ラインランド地方の教会では、このテーマに即して創作ビデオを募集中の由。ちなみにその課題テーマは「我、ここに立つ。ほかのこともなし得る」だという。これはもちろん有名な、ルターのウォルムス国会での発言「我、ここに立つ。ほかのことをなし得ない」をもじったもの。自分の信仰に生きることと、世界の中での「寛容」とを共に考えようとの訴えを願ってのことだろう。

 この「寛容」のテーマでは、ドイツ福音主義教会が『宗教改革、権力、政治』というパンフを発行して、啓蒙と教育にも努めているという。こうした様々な企画の中には、「女性が宗教改革を形作った」というテーマの企画もあるという。とかく男性が担ったと言われがちだが、宗教改革を女性たちが共に担った事実と意味を再確認しようという呼びかけである。

  先に報じた、ウィッテンベルクでのルターとメランヒトンの銅像の完全復活を記念して、街では3日間にわたるお祭りが祝われたという。銅像前のマルクト広場のにぎわい。ビールや焼きソーセージの屋台が並ぶ様子が眼に浮かぶだけではなく、口にものどにも響いてくるようだ。

 ところで日本。 
 このところ色々な機会、色々なところで、今回の共同文書『対決から交わりへ 宗教改革500年を共に記念するために』が話題となる。早く読んでみたいという声はルーテルの人々、また他のプロテスタントの人々から聞かれるだけでなく、カトリックの人たちからも聞いている。訳の出版が待たれているのである。

2013年7月16日火曜日

ルターゆかりの場所、続々と修復完成! 

ルターゆかりの地を最近訪ねた人から、「あちこち修復中で閉まっていて、見られなかった」という声を聞く。先日、ウィッテンベルクに行った人も「城教会も市教会も閉まっていて、なかを見学できなかった。」と話していた。

ドイツのHP「ルターの十年」に掲載されたニュースによれば、そのウィッテンベルクの旧市庁舎前に立つルターとメランヒトンの銅像自体の修復が逸早く終わったばかりか、取り外して修復中だった2つの「飾り天蓋」も修復が終わって、元の位置に二つの銅像を保護するように据えられたという。いろいろな修復が2017年まで後4年となり、あちこちで終わりつつあるようだ。(7/12)

ルターと宗教改革ゆかりの建造物のほとんどが存在する、テューリンゲン州の首相も時を同じくして、「このような一連のゆかりの建造物を次々と訪ねることはルターと宗教改革の歴史的意義を理解するためにも欠かせない意味をもつだろう」と促している。
こうなってくると来年にもなれば、修復なったこれら一連のゆかりの地を訪ねるよい時期となることだろう。

  また同じHP7/14付け)には、ルターと宗教改革500年記念がこうして国を挙げての行事になろうとしているせいか、ルターが大学入学以前に学び、寄宿していたアイゼナッハの街にあるルター博物館で、開館中の時間に、ガラスの陳列ケースから、ルター著作や説教の初期の印刷本が3点盗まれてしまった、という記事が出ていた。こうなると、有名になるのも困ったことだ。

2013年7月5日金曜日

『共同文書』発表。キリスト新聞の大記事に!

  キリスト新聞7月6日号に、宗教改革500周年記念関連記事が大きく掲載された。ルーテル教会とローマ・カトリック教会の宗教改革500年記念に向けた共同文書  『対決から交わりへ 宗教改革500年を共に記念する』が6月17日に発表されたからだ。

   第1面の上段中央記事では、ジュネーブで「共同文書」を発表したこと、ローマ・カトリック教会を代表してその場で演説したコッホ枢機卿のコメントなどが報じられた。第2面には上部半頁にわたって、この文書作成にかかわった国際委員の一人である、鈴木浩教授による共同文書の「解説」が載せられている。一読の価値がある。

     なお、「共同文書」は今後、ローマ・カトリック教会と協力して日本語共同訳出版に向けて作業が進められる予定である。

2013年7月4日木曜日

ルーテル世界連盟とバチカンが宗教改革500周年を前に公表した歴史的文書「対決から交わりへ」、日本語訳はじまる。

 
ルーテル世界連盟とバチカンは、宗教改革500周年を前に、足かけ5年をかけてまとめられた「対決から交わりへ」(From Conflict to Communion)と題された歴史的文書を6月17日に発表した。この文書には、「ルーテル教会とカトリック教会が2017年に共同で行う宗教改革記念(Lutheran-Catholic Common Commemoration of the Reformation in 2017)という副題が付けられており、「一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会の報告書」(Report of the Lutheran-Roman Catholic Commission on Unity)という形を取っている。この委員会のルーテル側の委員として長く貢献されてきた徳善義和ルター研究所前所長の後任として、この文書をまとめる 作業に一部だけだが関与した者として、取り急ぎ報告をしたい。なお、この委員会には、バチカンとルーテル世界連盟からそれぞれ10人の委員が派遣されてお り、双方から共同議長、共同秘書が出ている。
●ルター研究所 所長 鈴木浩
本文参考はこちらから。
(※ここでは冒頭部分のみ、イメージとしてこちらに暫定
掲載させていただきました。)