(2014.3.26)
昨年9月、ルーテル学院大学図書館4階の未整理図書の山の中から見つかった古い聖書が、1630年シュトラスブルクで発行のルター訳旧新約聖書であって、200を超える銅版画の挿絵で有名な、挿絵制作者の名によって名付けられている『メリアン聖書』と分かって約半年、その後こういう場合の修復専門の会社に依頼して修復中だったが、予定より早く修復が完了して、図書館に戻ってきた。
引き渡しが3月26日に行なわれ、面目を一新して、やがて図書館で展示されることだろう。図書館では先ずは4月に学内でのお披露目の機会を設け、9月23日の「一日神学校」の際には参加者のための特別セッションや展示を企画するとのことである。
宗教改革500年記念に向かう今、ルター訳の聖書がどのような形で民衆に親しまれ、手許に置かれたかを示す、よい実例を示すことになろう。この聖書は復刻版も出版されていて、相当の値というから、今回のオリジナルは、値がつかないほどとは言えないものの、愛好家が見ればやはり唸らずにはおれない古書と言えるのではないだろうか。
ルターの時代から約80年、ルター自身の時には付いていなかった節がついているなどは、聖書の普及という点でも興味深い推理のきっかけを与えてくれるものである。(徳善義和)