新訳『エンキリディオン小教理問答』マルティン・ルター著 ルター研究所訳
2014年10月31日、リトン発行
●宗教改革。
世界史に刻まれた神の出来事から500年。その節目に私たち教会は、自身の歩みを問われるだろう。そして、私たち教会はその意味を証しするのだ。その中心にあるのは神の言葉である。マルティン・ルターがそうであったように、私たちもまた神の言葉に立ち、また神の言葉を指差すのである。
日本福音ルーテル教会は、記念事業として「出版から活字」「全国巡回企画」「記念大会開催」との3本柱を立て、この節目に立ち、そこから歩みだそうとしている。そのためのシンボルマークの選考も行われている。
計画されていることは、全体でなすべき最低限と考えられていることであるが、当然、各地の教会や関係施設が、大げさに言えば社会に対してルターとその精神を提示する拠点として生き生きと存在することが500年の一度の機会にふさわしいことだろう。
企画展は、宗教改革が当時の印刷技術の発明と発展との深い関わりのうちに進められたことから、印刷業界との協同を模索している。ルターとルターの指差した神の言葉を広く一般に呼びかけるものとしたい。記念大会は、対立から交わりへと移行してきた500年の歴史を意識し、和解のしるしをわかちあうものとしたい。
そして、それらのために私たち自身が宗教改革とその遺産に学び、その信仰を養われ、育てられ、それをもってさらなる対話を進めるために、共通の文書を土台として学ぶことを推奨したい。それはあたかも、改革者たちが刷り上がった文書から吸収し、変革をもたらす力を得たのと同じように。
本事業では、み言葉へと導かれる4つの図書を提示する。すでに第1の推奨図書となる『マルティン・ルター』(徳善義和著)は出版され、広くわかちあわれている。
今年の宗教改革日には第2の推奨図書として『エンキリディオン小教理問答』(ルター研究所訳)が出版される。本書は「小教理問答」の新訳である。「必携」という意味のエンキリディオンという言葉が付せられた。
「子ども達に繰り返し教え、家に座っている時も道を歩く時も寝ている時も起きている時も、これを語り聞かせなさい」(申命記6・7)とは、モーセが次の世代の人々へと発した律法と共にある生活への奨めであるが、ルターはまさに「小教理問答」を携えて、それをいつでも思い起こし、信仰の要点を味わい、それに養われ、今、直面することに対してどう生きるべきかを定める力を得るようにと考えたのではないだろうか。本書がそのように活用されることを期待している。
※ルーテル教会関係者への推奨のために、特別価格での頒布も行っています。
詳細は、各教会宛に送付済の案内を参照ください。